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「iPhone」がアジア市場で苦戦する理由

世界22カ国で7月11日に発売が開始されたAppleの「iPhone 3G」は、発売後わずか3日間に販売台数が100万台に達し、またさらに、年内には世界70カ国以上で販売されることになっていて、世界のスマートフォン市場で確実にその存在感を増しつつ有ります。
実際、第3四半期(9月期)の「iPhone OS」出荷台数は、Microsoftの「Windows Mobile」搭載機を超えることが確実な情勢になっています。

ただ日本、インド、中国というアジアの3大通信市場では苦戦しているようだとWIRED VISIONでは指摘(中国ではまだ発売されていません)。
インドでは、当地アナリストの話として、

Apple社のブランドとiPhoneのデザインはインドの消費者の心をつかんでいるが、端末の価格が高すぎ、さらに3Gネットワークが国内に存在していない(2009年の中頃には最初の3Gネットワークが配備される予定とされる)ことなどから、ユーザーは購入を控えている

という分析がされており、NokiaやRIMと比較してやはり価格設定が大きな問題になっているようです。
一方日本では、利用料金が割高である点や絵文字やお財布ケータイなど日本独自の機能への未対応などが販売不振の要因になっているようです(Wall Street Journal)。
中国では、Appleと中国最大の通信キャリアであるチャイナ・モバイル(中国移動)との話し合いが難航。昨年暮れから協議は断続的に行われているものの、「iPhone」の通信料収入から毎月天引きするレベニュー・シェアなどの問題もあり、最終的な合意には至っていません。
しかし、中国では、米国などでの市場で溢れ出た「iPhone」がロック解除されて渡って来ており、4000元弱~5000元強(6万円弱~75000円強)という高額な価格で販売されているとされ、2008年初めの段階ですでに60万台の「iPhone」が流通しているという報告もあります。