世界中が待ちわびた3G版iPhone。しかし中国の携帯キャリアは2GのiPhoneが欲しいという。
Apple「iPhone」のワールドワイドな拡販戦略が進むなか、まだ発売時期やキャリアの決まっていない世界最大の携帯電話市場である中国について、CNET Japanでは、同国最大の移動体通信事業者チャイナモバイル(中国移動)が、Appleとの協議のなかで、「iPhone」のWi-Fiと3Gチップを無効にした状態で出荷されることを望んでいると一部メディアが報じたと伝えています。
高速チップを無効にする理由は、チャイナモバイルが独自3Gネットワークの構築計画段階であり、その通信網の完成前にW-CDMA規格版「iPhone」がリリースされると、iPhoneがロック解除され、顧客を同国第2位のライバル通信事業会社チャイナユニコム(中国聯通)などに奪われかねないという見解からだと思われています。
【Tsugawa.Tv’s Vision】
欧米で購入された数十万台ものiPhoneが中国に持ち込まれ、GSMネットワーク対応に改造されて、すでに使用されているのは有名な話。
米国の人口を上回る3億5000万人の契約者数を抱えるチャイナモバイルは、この8月にもiPhoneを発売すると噂されましたが、利益分配協定や上記で指摘された通信速度などの問題があり、いまだ最終合意には至っていません。
ちなみに、バックグラウンドで世界的な力関係が見え隠れしており、大手通信会社Telefonica(テレフォニカ)が、チャイナユニコムとの関係を深めているという情報と、Vodafone(ボーダフォン)が、チャイナモバイルと携帯ソフト開発で戦略的パートナーの関係を築きつつあるとの情報もあります。