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コードネーム「Brick」(レンガ)の全容解説

Brick- 次世代レベルのケースデザインと大幅な品質向上を可能にする技術
コードネーム「Brick」

9to5Macでは、Appleがまもなく公開するとされるコードネーム「Brick」に関して、これは新製品の名称ではなく、全く新しい「MacBook」の製造プロセスを示すものであると述べています。

この製造プロセスとは、Appleがここ数年を費やして開発した、アルミブロックからMacBookの外装筐体(ケース)を作り上げるという工程のことで、その最大のポイントはレーザーとウォータージェットによる切断・彫刻加工であり、高出力の3Dレーザーカッティングと高速水ジェット運動エネルギーを利用した切断および彫刻により、今までに無い航空機グレード品質での制作を可能にするといいます。さらに、これはこの10年間でAppleにとって最も大きい革新の1つであると言及されています。

この構想は、スティーブ・ジョブズ氏がNeXTを立ち上げた1980年代からのものだそうで、1990年には、NeXTワークステーションを製作する完全なオートメーション技術を取り入れた(レーザーやロボット、スピードがあり、驚くほど欠点の少ない)プラントを建設したこともあるとしています。

今回指摘されている製造プロセスで生み出される利点は以下の通り。

  1. アルミニウムを彫刻することで、アルミ曲げ加工の工程が無くなり、弱い部分や切れ目が無くなって強度が増す
  2. つなぎ目無しの仕上がりにより、非常にスムーズな製品が提供できる
    接合にネジを必要としない
  3. 筐体は金属の1片で仕上げられるため、驚くほど軽く、驚くほど強固なケースを、驚くほど安価なコストで提供できる
  4. 優れた製造プロセスにより、より創造的なデザインが期待できる

今年7月に行われたApple2008年度第3四半期の決算発表会で、Appleピーター・オッペンハイマーCFOは、将来的な製品移行に関して、競争相手が追いつけない革新がAppleにより近いうちに紹介されると述べていました。

Appleは、「Brick」と呼ばれる製造プロセステクノロジを、フォックスコン (Foxconn) などといった中国や台湾の製造工場へ移植させており、まもなく(噂では10月14日のハッピーチューズデーに)発表する予定とされる「MacBook」によって、その全容が明らかになるものと思われます。
9月下旬には、新製品を積んだ船が中国を出発したとの情報もあり、「完全に新しいデザイン、革新的な製造プロセス、今までにないユーザ体験」が得られるMacノートがまもなくデビューすることになりそうです。