オリンピック冬季大会で初の全放送HD配信へ
パナソニックは4月20日、同社の放送用半導体メモリー映像収録システム「P2HDシリーズ」やHD放送機器・システムが、カナダ・バンクーバー冬季オリンピック大会の映像制作用に、同大会のホストブロードキャスターであるOBSV(Olympic Broadcasting Services Vancouver)に使用されることになったと発表しました。
また、北京オリンピック同様に同社放送用HDデジタルVTR「DVCPRO HDシリーズ」が、バンクーバーオリンピックでも記録フォーマットとして使用されるとしています。
これにより、2010年2月にカナダ・バンクーバー市内のバンクーバー・コンベンション&エキシビションセンターに設置される国際放送センター(IBC)から、世界の契約放送局に配信される国際映像が全てHD(1080i)による制作・配信になり、北京オリンピックに続いて、全面的にHD機器が使用される初の冬季大会となります。
同社の映像記録フォーマットは、1992年のバルセロナ大会以来、過去9回にわたり使用されており、同社では、バンクーバーオリンピックでもより臨場感のある高画質・高音質HD映像を届けたいとしています。
同社の放送機器開発を担当するAVCネットワークス社システム事業グループの下水流正雄ビジネスユニット長は、
パナソニックは、1992年のバルセロナ大会より公式放送機器サプライヤーとして、最新技術でオリンピックの映像記録の歴史に貢献してきました。HD時代においても、実績のある『DVCPRO HDシリーズ』に加えて、最新の動画像コーデック『AVC-Intra』を搭載した『P2HDシリーズ』といったテープレスHD放送機器をバンクーバーオリンピックのために準備しています。
特に『P2HDシリーズ』はITとの親和性が高く、テープなどの他のメディアと比較して高速かつ効率的なワークフローを実現します。また、従来のVTRやディスクシステムに比べメカレスで交換部品が少なくて済み、使用済みテープのような廃棄物も大量に発生しないため、地球環境にも配慮した製品と言えます。高い環境志向を持つバンクーバーオリンピックで、放送機器でも環境に貢献できると考えています。
と述べています。
また、OBSV(Olympic Broadcasting Services Vancouver)のマノロ ロメロCEOは、
「バンクーバーオリンピックは北京オリンピック同様全ての映像がHDで放送されます。北京での経験が今回のバンクーバーでも活かされるでしょう。私たちはより臨場感にあふれた高画質なHD放送を、確実にかつ効率的に、全世界の視聴者の皆様に送り届けます。
と述べています。
パナソニックは、オリンピックのパートナーシップを通じて、同社のデジタルハイビジョンテレビ「VIERA」やブルーレイディスクレコーダー「DIGA」の販売促進に繋げたい狙いがあります。