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IDC、家庭用ポータブルPCの利用実態調査結果=CULV搭載PCが成長と予想

低価格PCユーザ向け製品では「画面の見やすさ」がキーに

 

IT専門調査会社IDC Japanは31日、2009年6月に実施した国内家庭ユーザーを対象とした、ポータブルPCの利用状況調査を発表しました。

 

これによると、低価格PCを購入するユーザは、セカンドPCとして利用する用途や商品の位置付けを理解して購入をしており、インターネットアクセスに関しては満足度が高い一方で、文書や写真の見づらさなどの画面表示に関する満足度が低いことが報告されています。

 

また、低価格PC販売増加の大きな要素の1つとして、店頭でのイー・モバイル同時加入キャンペーンが挙げられています。
同キャンペーンを適用することで、購入価格は1,000円~3万円未満が中心となり、100円以下の購入者も全体の約17%を占めるということです。
また、イー・モバイルのキャンペーンを利用するユーザ層は、価格条件に極めて敏感で、キャンペーン適応価格によってPCを100円で購入をしたい層と、6万円以上の比較的高額な低価格PCをキャンペーンによって安価に購入したいと考える層に分かれると分析されています。
今後、低価格PCは画面の大型化や解像度向上などで価格が上昇すると予測され、後者のユーザ層が同キャンペーンを利用して、購買が促進されることが想定されています。
IDCは、イー・モバイル以外でも、キャンペーンによって安価にPCを購入したいと考えるユーザ層が引き続き多いと予測しており、今後もこの分野は成長が見込めるとみています。

 

また、CULV搭載のポータブルPCについては、一般のポータブルPC購入者から見ると、安いうえに、十分な画面サイズを搭載していることで興味が高いとされる一方、低価格PC購入者からみると高価で興味は低いという結果になっています。
また、顧客の価格に対する感受性を分析するした場合、一般のポータブルPCの最適価格帯(顧客が希望する価格のスイートスポット)と、CULV搭載PCの価格帯がほぼ一致していることから、CULV搭載ポータブルPCは低価格PCとは競合せず、一般のポータブルPCと競合する可能性が高いとみらています。


現状では、CULV搭載ポータブルPCを出荷しているのは、AcerやASUSTeK Computer(ASUS)に代表される台湾系PCベンダーが中心で、まだ家庭市場で広く認知がされていないものの、今後ユーザにこれらのブランドが広く認知されると、一般ポータブルPCと低価格PCの間を埋める商品として成長する可能性が高いと指摘されています。

 

なお、本文中、「低価格PC」とは、インテルAtomプロセッサーおよびVIAのプロセッサを搭載し、画面サイズが7インチ以上13インチ未満のノートPCを指します。

 

 

IDC JapaのPC・携帯端末&クライアントソリューションシニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、

低価格PCの普及によって家庭ユーザでもPCを屋外で利用する機会が増えてきている。この背景には軽量で持ち運びやすいことが評価されていることにある。今後低価格PCのユーザ満足度を上げるためには、文書や写真など画面の見やすさが重要な要素となる

と述べています。