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[2009年Q3] 世界PC市場がプラス成長=DellがAcerに抜かれ3位転落

ネットブック好調で Acer が2位に躍進

IDC と Gartner は2009年10月14日(米国時間)、2009年第3四半期のパソコン市場調査の速報値を発表しました。

これによると、Dell 以外の主要 PC メーカーの出荷台数が増加しており、世界パソコン市場全体ではプラス成長に転じたことが分かりました。

今月22日には Microsoft の「Windows 7」がリリースされ、各メーカーから新製品が投入されることから、第4四半期〜2010年にかけて回復傾向が続くと予測されます。
ただし、地域別でみた場合、日本はコンシューマ向けおよび法人向けともに依然として厳しい状況にあり、15.1%のマイナス成長となって事前予想を下回りました(Gartner)。
ノート型は若干の回復基調にあるものの、デスクトップ型は予想を大幅に下回ったということです(IDC)。

 

IDCによると、2009年第3四半期の世界パソコン出荷台数は、前年同期比で2.3%増となる7,810万台となり、第1四半期の6.8%減、第2四半期の2.4%減からプラス成長に転じました。
また、Gartnerによると、同四半期の世界パソコン出荷台数は、前年同期比0.5%増となる8,086万台となり、第2四半期から実に18%のプラス成長となりました。

 

メーカー別でみてみると、HPが首位を維持したものの、DellがAcerに抜かれて3位に転落しました。
Acerは、ネットブックの売れ行きが好調で、前年同期比で25.6%増と出荷台数を大幅に伸ばしました。
一方のDellは、法人向けが大半を占めているため、同8.4%減となり回復が遅れていると分析されています(IDC)。

 

IDC のプログラムディレクター Loren Loverde 氏は「PC 市場は現下の経済状況のなかにあっても急速な回復基調にある。ネットブックに代表される低価格モデルがコンシューマ・セグメントで伸びており、HP と Acer が恩恵を受けた」と指摘しています。

 

また、Gartner のアナリスト北川美佳子氏は「低価格モバイルPCが牽引することで、コンシューマ市場が好調だった。しかし、価格の下落が大きな問題であり、出荷台数の増加だけでは判断できない」と慎重な見方を示しています。

 

メーカー別世界パソコン出荷台数(2009年第3四半期/IDC調べ)
順位
メーカー
2009-3Q
シェア
2008-3Q
シェア
成長率
1 HP 15,789 20.2% 14,441 18.9% +9.3%
2 Acer 10,956 14.0% 8,720 11.4% +25.6%
3 Dell 9,950 12.7% 10,863 14.2% -8.4%
4 Lenovo 6,987 8.9% 5,910 7.7% +18.2%
5 東芝 4,036 5.2% 3,777 4.9% +6.9%
その他 30,382 38.9% 32,643 42.8% -6.9%
合計 78,100 100.0% 76,354 100.0% +2.3%

出荷台数の単位は1,000台

 

メーカー別世界パソコン出荷台数(2009年第3四半期/Gartner調べ)
順位
メーカー
2009-3Q
シェア
2008-3Q
シェア
成長率
1 HP 16,120 19.9% 14,785 18.4% +9.0%
2 Acer 12,484 15.4% 10,098 12.5% +23.6%
3 Dell 10,343 12.8% 11,089 13.8% -6.7%
4 Lenovo 6,878 8.5% 5,941 7.4% +15.8%
5 東芝 4,036 5.0% 3,643 4.5% +10.8%
その他 31,003 38.3% 34,914 43.4% -11.2%
合計 80,864 100.0% 80,470 100.0% +0.5%

出荷台数の単位は1,000台