WLS事業買収でスマートフォン市場のシェア拡大が狙い
米Intelは29日(米国時間)、ドイツのInfineon Technologiesのワイヤレス・ソリューション事業部(Wireless Solutions)を約14億ドルで買収合意しと発表。Intelは、このワイヤレス事業(WLS)を独立の事業体として運営する方針で、これまでの顧客との取引も継続される。2011年第1四半期までには買収が完了する予定だ。
IntelはWLS買収により、スマートフォン市場でのシェア拡大を狙うとともに、多様化するモバイルデバイスのワイヤレス部門をさらに強化したい思惑がある。
Intelのポール・オッテリーニCEOは、「ますます加速するワイヤレス事業の世界的需要のなかで、WLSの買収により、我々のコンピューティング戦略の第2の柱であるネットへの接続性を強化できる。また、Wi-Fi、3G、WiMAX、LTEなどといった、あらゆる無線オプションをカバーできるようにもなる」と、買収のメリットを述べている。
Intelは10日前にも、コンピュータセキュリティ大手のMcAfeeを76億8000万ドルで買収すると発表したばかり。チップメーカーの巨人は、ミニノートだけでなく、様々なスマートフォンやタブレットデバイスなどにも次世代「Atom」プロセッサを搭載して欲しいと願っているに違いない。
WLSは、携帯電話用ベースバンドLSI(HSPAチップ)や電源管理ICなどが主力製品で、「iPhone 4」をはじめ、歴代の「iPhone」や「iPad」のサプライヤとしても知られている。