東芝、日立製作所、ソニー3社が中小型パネル事業を統合して設立した「ジャパンディスプレイ」の社長に就任予定の大塚周一氏は、2012年3月の統合時に「ロケット・スタートをしなければならない」と、日本経済新聞へのインタビューで語っている。
ジャパンディスプレイへの3社の出資比率は10%ずつで、残り70%は産業革新機構が出資する。そのため、大塚氏は「新会社独自の体制を作っていかなければならない」と述べ、スマートフォン/タブレット向けおよび車載用ディスプレイに注力していく方針だという。
また、高精細パネルを生産するために、パナソニック液晶ディスプレイ茂原工場に1,000億円投資して、アモルファスSi(a-Si)TFTの生産ラインから、低温多結晶Si(LTPS)TFTの生産ラインに切り替える計画だという。ただし、量産体制構築には約1年半を要する見通しだ。
さらに、ジャパンディスプレイの方向性として、高精細技術、広視野角技術、低消費電力技術、狭額縁技術、タッチ・パネル技術を推進させ、解像度500ppiの高精細化を目指すとしている。大塚氏は、「技術的な可能性でいえば、500ppiについてはそれほど遠い話ではない」と指摘し、「LTPS TFT技術をベースとして実現していく」方針だという。