ars technicaでは、「MacBook Air」の1.6Ghz HDDモデルと1.8Ghz SSDモデルのベンチマークや性能を検証・比較をすることで、158,600円の余分なお金を払う価値があるかどうかについてのテスト結果を掲載しています。
まずは、SSDモデルの起動時間ですが、残念ながら期待ほど速くは無く28.5秒ほど掛かるようです。しかし、HDDモデルよりは12秒、「MacBook」よりは11.5秒速いタイムになります。ただ、「MacBook Pro」よりは逆に2.5秒遅い結果になっています。
次にベンチマークテストでは、SSDモデルがプロセッサのクロック周波数の差 (1.8GHzと1.6GHz) の分、HDDモデルをほとんどの部門で上回る結果になっています。この中で注目すべきはディスクテストの結果で、SSDモデルは、回転数4200rpmのHDDモデルに対してかなりいいパフォーマンスを見せています。SSDモデルは、シーケンシャルリード/ライト (大量のデータを頭から順序よく読み/書きすること) では劣りますが、ランダムリード/ライトではHDDモデルよりも40%以上高速でした。これは体感速度で (数値上) SSDが優れていることを意味しています。
次に Cinebench (3Dレンダリング・ベンチマーク) では、クロックスピード分、わずかにSSDモデルが上回りました。
実際のアプリケーションレベルでのベンチマークテストはどうでしょうか。
Quicktimeで60MBのムービーを「iPod」フォーマットに書き出す時間を測定すると、SSDモデルがHDDモデルに負ける結果になりました。書き出しの速度はSSDの方が遅いということです。
解凍の速度では、SSDが上回りましたが、それでも「MacBook」や「MacBook Pro」には大きく水を開けられてしまいました。
Photoshop CS3を使ったテスト (PSBench) では、Cinebench同様、ほとんど差はなく、SSDモデルがクロックスピードの差だけ速いことが分かりました。
実際の使用感は、ほとんどの部分でその差は実感できないようです。結局のところクロック周波数の差はわずか200MHzに過ぎませんから。
しかし、ひとつ大きな違いとして、SSDモデルは、ディスクアクティビティが多くてもマシンがスローダウンすることなく比較的安定している点でしょう。例えばFirefoxを使用する時など。
バッテリの持続時間テストでは、HDDタイプはなんと平均2時間30分。輝度を最小に、Wi-Fiはオン、Bluetoothはオフにした状態で連続音楽再生する環境下で、2時間19分〜2時間44分の範囲という結果に。しかし、この結果は周りの声を聞いてみても平均的な数値であるといえます。スクリーンの輝度の調整によって左右されますが、2時間〜2時間45分という範囲内に収まるでしょう。
SSDモデルはバッテリの駆動時間を有利にするとよく言いますが、実験の結果ではわずかに使用時間を伸ばしたに過ぎませんでした。SSDモデルの2時間52分という結果には失望したといってもいいでしょう。
結論として、余分な金額を払う価値があるのかどうかについては、「No」。
わずかなバッテリ駆動時間と体感できないほどのスピードの優位性だけでは、そういう答えにならざるを得ません。
唯一大きな違いがあるとすればディスクアクティビティが多くてもマシンがスローダウンしない点くらいでしょう。
SSDモデルの購入を薦める理由を見つけるのがなかなか大変なようです。
● いい面・・・(1) マシンのスローダウンがほとんどない (2) 起動とディスクリード、ビルド時間が速い
● 悪い面・・・使用感からして 158,600円ほどの価値がない
● 醜い面・・バッテリ駆動時間があまり変わらない