ITproでは、ソフトバンクモバイルが年内にAppleのスマートフォン「iPhone」を国内で発売すると発表した件について、日本版「iPhone」は第3世代携帯電話(3G)に対応した次世代のものになるとしたうえで、米ガートナーのケン・デュレイニー コミュニケーション担当VP兼最上級アナリストが以下のような仕様になると予想していると伝えています。
- UMTS(W-CDMA)/HSDPA(3G)への対応
- 有機ELディスプレイの搭載
- それによる薄型化とバッテリー寿命の長期化載
- メモリーカードには非対応
- バッテリーの取り外しは不可
- 企業向けアプリケーションの充実(ただしメインターゲットは一般消費者)
- 価格は現行機種と同等
- 米国で夏ころ発売(6月または9月)
UMTS(W-CDMA)/HSDPA(high speed downlink packet access)と言った3G方式への対応は当然だろう。日本は3G方式でないと利用できないし、欧州でも主流が3Gに移行しつつある。通信速度が高速になれば、iPhoneの売りであるインターネットとの親和性はさらに高まる。
有機ELディスプレイの搭載とバッテリー寿命の長期化は、実現すればユーザーにとって朗報となる。高速な3G方式に対応すると、iPhoneでWebに接続する機会は多くなりそう。見やすいディスプレイで長時間利用できれば、それだけでiPhoneの価値が増す。
米国では「22%薄くなる」という報道もある(関連記事)。本当ならば、次世代iPhoneの厚さは約9mm、つまりiPod touchよりも1mm分厚いだけという計算になる。
メモリーカードとバッテリー取り外しへの非対応は、現行のiPhoneで不満の声が多かった点だ。ユーザーにとっては、当たって欲しくない予想かもしれない。ただ、次世代iPhoneでストレージの大容量化やバッテリー寿命の長期化が進めば、気にならなくなる可能性もありそうだ。
企業向けアプリケーションの充実は既定路線といえる。米アップルは6月9日から米サンフランシスコで開発者会議「WWDC08(Apple Worldwide Developers Conference 2008)」を開催する。この席上でiPhoneの新しいファームウエアとSDKの正式版を公開する見通しだ。このベータ版を発表した段階で、アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏は「今後はエンタープライズ向けにも力を入れる」と明言していた。