CNET.comでは、NvidiaのTesla GPUプロダクトマネージャーSumit Gupta氏によると、新たなグラフィックチップのプログラミング環境は、グラフィックスプロセッサの潜在的なコンピュータ処理能力を利用して、Appleの次期OS Snow LeopardやMicrosoftの同Windows 7において、より多くのタスクを短時間に扱うことが可能になると述べたと伝えています。
これによると、グラフィックスはもはや、ゲームだけのためのものではなく、GPUの演算資源をグラフィックス処理以外の目的に応用するGPGPU(General Purpose computing on GPU)と、その演算能力を活用するOpenCL(Open Computing Language)やMicrosoft DirectXの登場により、マルチコアCPUやGPUを混在して使用できるようになったと述べられています。
Appleは昨年6月、OpenCLによって、これまでグラフィックスアプリケーションでしか利用できなかった膨大なギガフロップスものGPU計算能力をどのアプリケーションでも利用できるようになると説明しました。
Gupta氏は、OpenCLはSnow Leopardの一部を、DirectXはWindows 7の一部をそれぞれ構成することにより、Nvidia GPUやATI (AMD) GPUを搭載すれば、実質的に、システム上に2つのプロセッサを認識するようになり、OSがより高速に動作するようになると指摘しました。
同氏はさらに、IntelやAMDのCPUはまだ不可欠であり、予測できないタスクを実行する時にはCPUがうまく処理すると言及する一方で、GPUは1つのタスクをこなすのに能力を発揮すると述べ、CPUはもはや最重要事項ではないとしています。
GPUを使用するうえで最も困難なのは、プログラムするのにグラフィックス言語を使用しなければならなかった点ですが、OpenCLやCコンパイラ、CUDAアーキテクチャの登場により、C言語環境のみでプログラム可能になり、複雑かつ大量の計算から解放されつつあります。