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Apple、独自設計の半導体開発へ加速=チップ設計のエキスパートを相次いで採用

エキスパートを集めて独自のプロセッサアーキテクチャを構築

 

昨年1月までAMDのグラフィックチップ設計部門で最高技術責任者(CTO)を務めていたBob Drebin(ボブ・ドレビン)氏が、最近になってAppleのシニアディレクターに就任したと報じられたばかりですが、AppleInsiderでは、Inquirerによると、Apple事情通の話として、AMDの同じ部署でCTOの職にあるRaja Koduri(ラジャ・コドゥリ)氏もAppleに転職するようだと伝えています。

 

Koduri氏は、グラフィックチップ設計会社S3 Graphicsに4年間務めた後、2001年にATIに入社し、先端技術開発に関わって、グラフィックスプロセッサ設計責任者の一人になりました。
AMDによるATI買収後は、グラフィックチップ設計部門のCTOとして活躍し、業界や社内で非常にリスペクトされる存在であるということです。
4月23日に同氏がAMDを離れると報じられた時には、IntelやNVIDIAも移籍先の候補として噂になっていました。

 

Tony Fadell(トニー・ファデル)氏の後任として、iPod/iPhone開発グループを率いることになった元IBM幹部のMark Papermaster(マーク・ペーパーマスター)氏も、チップ設計のスペシャリストであり、Appleは各方面からCPUやGPUのエキスパートをかき集めているようにみえます。

 

また、MacRumorsでは、The Wall Street Journalによると、Appleは、半導体を自前で設計する準備を進めており、 iPhone/iPod touchのバッテリ駆動時間を改良させる省電力性と、ゲームやHDビデオ再生の質を向上させるグラフィックス回路の開発を独自に計画しているようだと伝えています。

 

Appleは昨年4月、2億7,800万ドルで低電力システム・ オン・チップ(SoC)設計会社P.A.Semiを買収しており、最近では、AMD元幹部の採用のほか、携帯電話向けのシリコン系半導体をテストする技術者を募集していました。
Appleは、自らの手で独自にカスタマイズしたプロセッサを設計することで、機密情報を外部に開示することなく開発を進められ、さらに、製品機能をシームレスに拡張できると考えているようです。
Apple設計の半導体が搭乗するのは、早くても来年になるだろうと指摘されています。