先月24日に「App Store」でのダウンロード総数が10億件を突破したというニュースが記憶に新しいなか、FORTUNEでは、米ベンチャ投資会社Lightspeed Venture Partnersのジェレミー・ルー氏の見積りによると、App Storeにおける売上の30%を受け取るAppleは、App Store開設後の10ヶ月間で、2,000万ドルから4,500万ドルの収益があったと指摘したと伝えています。
同氏の試算基準は、有料版と無料版アプリケーションの割合が1:15から1:40の範囲であり、1本当たり価格を2.65ドルとして算出したもの。
さらに3週間前には、Geek.comのクリスチャン・ジブレッグ氏が、若干違うもののほぼ同様の分析(有料版と無料版の比率が1:10)を行って、Appleが1日当たり30万ドル、年間で1億1,000万ドルの売上を計上すると予想しました。
しかし、同氏によれば、ストアの運営コストは不明であり、ひょっとしたら利益を超える経費が掛かっているかもしれないとしています。
Appleはほかにも、iPhoneデベロッパプログラムのライセンス(個人は99ドル・法人は299ドル)を販売することでも利益をあげており、3月17日時点で50,000超の個人及び法人と契約を交わしているとされています。ほとんどのデベロッパを個人として計算しても、およそ500万ドルの売上があがっていることになります。
しかし、これらの会費は年会費であり、iPhone SDKや無料ライブラリのメンテやリファレンス、手引き、サンプルコードといった諸経費が必要となります。
それでも利益が出ていているとして、アプリケーション開発とデベロッパライセンスがAppleのApp Sroreにおける収入の流れを作っているとしても、Appleが真に重要視しているのは、iPhoneとiPod touchのセールスであり、Piper Jaffrayのジーン・マンスター氏によれば、Appleは2008年度にiPhone単体だけでも108億ドル(非GAAP)を売り上げており、今年は130億ドルになるだろうと予測されています。
スティーブ・ジョブズCEOは、App Storeを開設する時に、App Storeは利益をあげるようには設定されていないと述べていました。
ユーザにモバイルデバイスが有効に使えるようなアプリを配布する場所に過ぎないのであって、Appleにとっての利益は、いつものようにハードウェア(iPhone/iPod touch)の高いマージンにあるという点が重要だとしています。