iPhone最新モデル「iPhone 3G S」を専門家たちはどう見るか=買いか?ステイか?
米国などでは日本より1週間早い19日にリリースとなる「iPhone 3G S」ですが、米メディアや専門家たちのもとには、一般発売に先行して実物がすでに届き始めています。
「iPhone 3G S」は、より高速なプロセッサ(ARM系600MHz)を搭載し、ストレージ(16/32GB)や内部メモリ(256MB)が従来比で2倍となり、カメラ性能がアップ(3MP+VGA Video)したことなどを特長としています。
以下に、さまざまなメディアによる「iPhone 3G S」のレビュー記事をピックスしてみました。
■ Wall Street Journal 人気テクノロジコラムニストウォルト・モスバーグ
まずは恒例のこの方から。Apple製品に対してひいき目なコメントをしてくれることでも有名。
- スピード:劇的に速くなった。アプリはすぐに起動し、ウェブページの表示も速いし、カメラの起動も高速になった
- ワイヤレス:携帯電話回線のデータ通信速度は同じだが、Wi-Fi通信は30〜50%も改善された
- バッテリ:iPhone 3Gよりずっと良くなった
- カメラ:良くはなったが、劇的に良くなったわけではない
- ビデオ撮影:よく撮れるが、HD動画撮影をサポートしないので、それなりにしか撮れない
- 音声コントロール:完全ではないがほぼうまく動作する
- デジタルコンパス:たいていのユーザにとって、それほど重要な機能とは思わないが、ちゃんと動作する。ちゃんと向いた方角を表示してくれる
- フラッシュメモリ:32Gバイトモデルだと、3,000曲+写真1,600枚+動画74本+アプリ67本+メール400件+連絡先1,000件+数ヶ月分のカレンダー情報を入れても、容量は5Gバイト余る
- 安定性:テスト中に2度クラッシュ(音声コントロール使用時とiTunesモバイルからTV番組をダウンロード時)
- 新機能:「Find My iPhone」、「ボイスメモ」、「Push Notification」はうまく動作する。Wi-Fiへの自動ログイン機能はよく失敗する
- 寸評:「iPhone 3G S」と「iPhone OS 3.0」の組み合わせも素晴らしいが、多くのユーザはソフトウェアアップデートだけでも十分かもしれない
蛇足ですが、同氏の記事を気軽に読めるiPhoneアプリ「All Things Digital」は要チェックです。
■ USA Today テクノロジコラムニスト エドワード・ベイグ
- スピード:速くなった
- 音声コントロール:完璧ではない、特に周囲が 騒々しいとうまく動作しない
- マルチタスク:Palm Preのようにはいかない
- ビデオ撮影:ごくシンプル。HD動画撮影をサポートしないが、VGA画質としてはまずまず。トリミング編集が可能だが、スクリーン上のトリムボタンを偶然押してしまい、保存したかったシーンを消してしまった
- カメラ:近距離の静止画撮影はキレイに撮れるが、暗い場所での撮影に難点あり
- Spotlight検索:お気に入りの新機能だ
- 寸評:「iPhone 3G S」と「iPhone OS 3.0」の組み合わせもは、すべてのウィッシュリストを満たす訳ではないが、iPhone支持者に薦める理由はたくさんある
■ CNet テクノロジコラムニスト ケント・ジャーマン
- スピード:速くなった。例えば「Bejewled 2」は12秒から5秒にまで起動時間が短縮された。「Pocket God」も30秒から11秒になった。電源オフの状態から起動するまでの時間も50秒から26秒にまで改善された
- カメラ:悪くは無いが、素晴らしい訳ではない。写真品質はそれなりだが、編集機能に欠ける
- ビデオ撮影:トリミング編集が可能だが、センターを切り取って残った2つをくっ付けることはできない
- 音声コントロール:音声ダイヤルはうまく動作する
- 拡張性:Adobe Flash LiteやUSB転送、マルチタスクをサポートしていない
- アクセシビリティ:視覚障害の人はボイスオーバー機能を使ってメッセージやメール送信が可能
- 寸評:「iPhone」を持っていないなら、「iPhone 3G S」はベストチョイスだ。しかし、「iPhone 3G」を持っているなら、答えは微妙だ
■ New York Time テクノロジコラムニスト デイヴィッド・ポーグ
- スピード:外観は同じでも、中身は速くなった。プロセッサの速度そのままに
- カメラ:新しい3MPカメラは色と鮮明さが確実に進歩している。特に暗い場所での撮影が改善した
- ビデオ撮影:明るい場所がうまく再現できない傾向があり、普通のデジカメや小型デジタルビデオカメラほどではないが、それほどの遜色は無い。シャープで、スムーズで、30フレーム/秒。悪く無い
- ビデオ編集:トリミング機能は普通のデジカメよりも機能的だ
- デジタルコンパス:これからは地図を見ながら途方に暮れる必要は無くなる。どっちに向いてるか一目瞭然だ
- スクリーン:撥油コーティングによって、きれいな状態が長続きする。乾いた服でさっと拭くだけで汚れが落とせる
- 音声コントロール:もっとも便利になった機能のひとつ
- バッテリ:「iPhone 3G」より駆動時間が約25%長くなった
- 問題点:物質的キーボードが無い、バッテリが取り外せない、米国ではキャリアの選択がせきない(AT&T1社だけ)
- 寸評:多くの新機能が搭載され、知的になった「iPhone 3G S」に抵抗するのは難しい。ライバル達の1年先を行っている
■ Chicago Sun-Times テクノロジコラムニスト アンディー・イーナトコ
- スピード:すべてが速く感じる。Safariはまるでデスクトップブラウザのようだ。ページの表示があっという間
- ゲーム:3Dゲームなどの性能が驚くほどアップした
- バッテリ:駆動時間は丸一日持つのに十分だが、ヘビーユーザなら予備のバッテリがあった方がいいだろう
- カメラ:自動マクロ機能で10cmまで接写できる
- カメラ機能:タップしてフォーカスできるアプリは他のスマートフォンには無い
- ビデオ撮影:画質はスムーズでナチュラル、音もかなりいい
- 音声コントロール:他のデバイスとはレベルが違う、飛び抜けていい
- 寸評:「iPhone 3G S」は、個々の機能以上の価値がある。
同氏が撮影した写真がFlickrに掲載されています。
■ Wired テクノロジコラムニスト スティーブン・レヴィ
- スピード:確実に速くなった。アプリ、ウェブ、ゲームなど、どれも速い
- 音声コントロール:操作性が向上する
- ランドスケープキーボード:横向きキーボードで文字打ちが楽に。Safariでは使えないが、メールや他のアプリで使用可能
- 新機能:「ボイスメモ」、「ペアレンタルコントロール」、「Safari 自動入力」は、うまく動作する
- デジタルコンパス:今後この機能を利用する優れたアプリが登場する(カーナビやARアプリなど)
- 寸評:「iPhone 3G S」は改良点が満載。買うことをためらってはいけない。こんなに優れたスマートフォンは、現在他に無い。とはいうものの、現在「iPhone 3G」を持っているなら、音声コントロールや新しいカメラ、スピードアップなどは、決して無くてはならないほどのものでもない