プロセッサの分だけ速くなったが、HSDPAの下り速度4倍増実現はまだ先
Engadgetでは、昨日米国などで発売開始となった「iPhone 3G S」について、デバイス自体はデータ通信速度が7.2Mbpsのダウンリンクに対応したとされる一方で、米国内ではAT&Tのネットワーク整備の遅れが原因で、従来モデル「iPhone 3G」と通信速度が上りも下りもほぼ同じだったと伝えています。
米通信事業会社AT&Tは、シカゴ地域で、HSPA(High Speed Packet Access)のダウンロード速度を倍増させるテストを行っていましたが、そのシカゴで行った「iPhone 3G S」と「iPhone 3G」のスピードテストでさえも、データ通信速度にあまり差は生じなかったようです(上スクリーンショット参照)。
「iPhone 3G S」の方が、雀の涙ほど(DLで100kbps程度)高速だという結果になりましたが、これは搭載CPUが高速になったためだと推測されます。
AT&Tは、米国におけるiPhoneの独占キャリアであり、米国でiPhoneを使う以上、ロックを解除する以外、AT&Tの電話回線を使用しないわけにはいかず、米国の「iPhone 3G S」ユーザは、今しばらくの間、最高7.2MbpsのHSPAモードへの対応はお預けとなります。
AT&Tは、HSPAをさらに高速化させた下り最大21Mbpsの「HSPA+」へ年内後半にもシフトチェンジする計画があると伝えられていましたが、ベースステーションのソフトウェアをアップグレードするだけで対応可能という7.2Mbpsモードの整備だけで手一杯のようにも感じます。