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Apple、プロ向けビデオ編集スイート「Final Cut Studio」をメジャーアップデート=100以上の新機能を追加

業務用ビデオ編集統合アプリを大幅バージョンアップ=アプリ間の統合が緊密に+価格も引き下げへ

 

Appleは7月23日(米国時間)、100以上の新機能を搭載したプロ仕様のビデオ編集統合アプリケーション「Final Cut Studio」の新バージョンを発表しました。
価格は旧リリースより39,200円安い108,800円で、Final Cut StudioまたはFinal Cut Proからのアップグレード価格は31,800円となっています(いずれも直販価格)。

 

新しい「Final Cut Studio」には、新バージョンのビデオ編集ソフト「Final Cut Pro 7」のほか、モーショングラフィック制作ソフト「Motion 4」、オーディオ編集ツール「Soundtrack Pro 3」、カラー補正ツール「Color 1.5」、エンコードツール「Compressor 3.5」が含まれています。
パッケージには、これら主要ソフトのほかにも、新しくなったフィルム/24pDIの編集ツール「Cinema Tools 4.5」と、旧バージョンを引き継ぐDVDオーサリングツール「DVD Studio Pro 4」が同梱されています。

 

 

■ Final Cut Pro 7

Final Cut Pro 7

最新版の「Final Cut Pro 7」は、AppleのProResコーデックに、オフライン/低ビットレート編集向けのProRes 422(Proxy)や、一般的な編集作業向けのProRes 422(LT)、高クオリティ編集向けのProRes 4444が新たに追加され、あらゆるビデオ編集のワークフローが幅広くサポートされています。
また、ワンステップで様々なフォーマットに出力できる「Easy Export」共有機能により、バックグラウンドでエンコーディングを行ないながらプロジェクト作業を続けることができるほか、ワンクリックでYouTube、MobileMe、iPhone、iPod、Apple TV、DVD、Blu-rayに書き出しすることも可能です。
さらに、リアルタイムでのコラボレーションを可能にするiChatシアターのサポートにより、相手がFinal Cut Proを持っていなくてもリアルタイムでの共同作業が行えます。
その他の新機能として、クリップスピードを簡単に変更するための新しいスピードツール、ムービングマットを使って劇的な効果を作るためのアルファトランジション、そしてPanasonicの最新のハイクオリティーカメラに対応したネイティブAVC-Intraサポートなどがあります。50Mbpsと100Mbpsフォーマットの超高速デコーディングにより、リアルタイムエフェクトの処理とマルチストリームの編集が可能になっています。

 

 

■ Motion 4

Motion 4

アニメーションツールが拡張した新しい「Motion 4」では、ダイナミック3Dシャドウ、反射、被写界深度エフェクト、新しいテキストアニメーションなどのたツールが強化され、高度な2D/3Dモーショングラフィックスや視覚効果を効率的に作成できます。
点光源やスポットライトを追加しリアルな影を投じたり、さまざまな形状、ビデオプレーン、ペイントストロークに反射属性を追加したりすることで、3Dコンポジションの質を高めることが簡単に実現可能となっています。
さらに、一つのオブジェクトを選択的にハイライトしたり、複数のオブジェクトを使ってフォーカス送りの効果を出したりすることができるなど、3Dキャンバスの中で被写界深度を柔軟に調整する機能が提供されています。
そのほか、スパイラルジェネレータ、Bad Filmフィルタ、カメラフレーミング、クレジットロール、グリフ調整ツールなどが追加または強化されています。
また、GPUによって高速処理される120種類以上のフィルタやエフェクト、200種類以上のパーティクルプリセットが用意されており、サードパーティ製FxPlugフィルタを使ってエフェクトを作ることも可能となっています。

 

 

■ Soundtrack Pro 3

Soundtrack Pro 3

新しいナビゲーションにより作業性が向上した「Soundtrack Pro 3」は、オーディオポストプロダクションを効率化する新しいマルチトラック対応のパワフルなオーディオ編集ツールが特長。
Waveform Zoom、RMS Normalize に加えて、フェードの追加やクリップのトリミングおよび拡張を行うショートカットで時間を短縮できるほか、音声レベルマッチによって、台詞のボリュームをシームレスに調整可能となっています。
また、新しいファイルエディタでは、周波数スペクトラムビューでのマルチチャンネルファイル作業と編集選択が簡単に実行でき、Appleの3種類のタイムストレッチアルゴリズムやサードパーティ製プラグインを使って、オーディオの伸張と圧縮を正確に行うことができます。
そのほかにも、ノイズリダクション機能や、iXMLのサポート、Euphonixコントロールサーフェスとの連係などが強化されています。
また、50種類以上のプロ仕様のエフェクトプラグインと6000種類以上の著作権料フリーの効果音、サウンドエフェクト、ミュージックベッドが用意されています。

 

 

■ Color 1.5

Color 1.5

デジタルシネマのサポートがさらに強化されたカラーグレーディングツール「Color 1.5」は、RED ONEなどのカメラで撮影したネイティブ4Kファイルに対応するワークフローにより、AVC-Intra、XDCAM 422、ProRes 4444などのハイエンドフォーマットでのカラーグレーディングとレンダリングを実現。HDでの出力では新しいProRes 4444に直接書き出し、デジタルマスタリングやフィルム出力ではDPXまたはCineonファイルが書き出され、直観的なツールと統合されたワークフローにより、Final Cut Studioの中だけでプロジェクトを完成させることができます。
また、「Cinema Tools 4.5」で作成したデータベースを読み取って、元のフィルムやデジタルファイルを追跡でき、ProResプロキシを使ってFinal Cut Proですばやく編集した後、Cinema Toolsで業界標準フィルムトラッキングプロセスを利用して元のDPXファイルやREDファイルに簡単に再接続し、カラーグレーディングを実行できます。
そのほか、20種類以上のシグネチャー・ルックや、Appleがデザインした90種類以上の新しいカラーグレードをダウンロードできます。

 

 

■ Compressor 3.5

Compressor 3.5

エクスポートオプションのセットアップとカスタマイズが簡単になった「Compressor 3.5」では、新しいバッチ処理テンプレート、小さなエンコード処理アプリケーションとして機能するドロップレット、ジョブアクションなどにより、エンコード処理時間が短縮したほか、ファイルのエンコード処理と配信をバックグラウンドで実行しながら、Final Cut Proで編集を続けることができます。
また、iPod、Apple TV、ウェブ、携帯電話、Blu-rayディスク、DVDなどで配布可能なファイルを作成できます。さらに、さまざまな他社製プラグインを使って、送出サーバ用のフォーマットやデジタルシネマワークフローなどを作成することも可能です。
ほかにも、Appleのオプティカルフロー技術を使って、規格の違う地域に配信するための規格変換、SDからHDへのアップコンバートなど、質の高いフォーマット、規格変換を行え、Blu-ray対応H.264エンコード処理もサポートします。

 

 

■ DVD Studio Pro 4

DVD Studio Pro 4

旧リリースから引き継がれる「DVD Studio Pro 4」では、使いやすい直観的なオーサリングツールや、ナビゲーション、再生、マスタリングのための高度な機能が提供され、カスタムルックのドラッグアンドドロップで簡単に、インタラクティブなスタジオ品質のマスター版も制作できます。
DVDのフローをグラフィカルに表示でき、4:3と16:9のアスペクト比、NTSCとPALに対応した30種類以上のApple独自のメニューテンプレート、タイムラインでのトラック調整、インタラクティブなDVDオーサリング、幅広いオーディオサポートが用意され、MacのSuperDriveや外部ドライブを使って、簡単にディスクを作成できます。

 

 

Final Cut Studio

新しい「Final Cut Studio」のシステム要件は、Intelプロセッサを搭載したMac(対応OSはMac OS X 10.5.6 以降)、1GBのRAM(圧縮HDおよび非圧縮SDソース処理には2 GBを推奨。非圧縮 HD ソースの処理には4GBを推奨)、ATIまたはNVIDIAグラフィックプロセッサ(Intelグラフィックプロセッサとの統合はサポート外)、128MBのVRAM、解像度1280×800以上のディスプレイ、QuickTime7.6以降などとなっており、同アプリケーションのインストールにはDVDドライブが必要です。

 

Appleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当副社長であるフィリップ・シラー氏は、

140万人のユーザと50%の市場シェアを持つFinal Cut Proは、ナンバーワンの業務用ビデオ編集アプリケーションです。新しいFinal Cut Studioには100以上の新機能が含まれるほか、AppleのProResコーデックファミリーを大幅に拡張して、エディターはスタジオでは最高のクオリティー、ロケ現場では低ビットレートで作業をする、といったことができます

と述べています。

 

Final Cut Studio」は、Apple Online Store、Apple直営店、およびApple製品取扱販売店を通じて順次販売開始され、Appleオンラインストアでは、24時間以内に出荷可能となっています(送料無料)。
また、「Soundtrack Pro」と「Compressor」は、新しい「Logic Studio」にも含まれており、「Final Cut」と「Logic」のユーザ間でコラボレートしたりファイルの共有をしたりすることもできます。

Final Cut Server 1.5

さらにAppleは同日、「Final Cut Studio」の資産管理および自動化ツールである「Final Cut Server 1.5」も発表しました。
「Final Cut Server 1.5」には、ProRes Proxyを使った低データレートによるオフライン編集、媒体を整理分類するためのプロダクション階層、CGや合成作業のワークフローのために連番イメージファイルを簡単に表示させて管理するためのスティルシーケンスのサポートなどの新機能が含まれています。
価格は無制限クライアントライセンス版が108,800円で、既存ユーザ向けに31,800円のアップグレード版も用意されています。


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