2011年までにApple TVを大幅アップデート=新サービスと共にテレビ市場参入へ
市場投資会社Piper Jaffrayのシニアアナリストであるジーン・マンスター氏のレポートによれば、Appleは2011年までに、デジタルビデオ録画機能や、映画・音楽・ゲーム・インタラクティブTVなどのエンターテイメント・メディアにアクセス可能な、Appleブランドのテレビセットを新たに市場投入するだろうと分析されています。
マンスター氏は、テレビというハードウェア開発の新ビジネスには大きなリスクが伴うと認めたうえで、テレビ市場への進出に向け、Appleのソフトウェアとハードウェアが結合すれば、充分成功する可能性があるとみています。
また、同氏は、Hulu.comやNetflixのWatch Instantlyなどといったインターネットテレビの人気に押され、ここ数ヶ月で「iTunes」ビデオサービスのシェアが下落していると指摘したうえで、Appleは今後数ヶ月内に、「Apple TV」のセットトップボックス(STB)に、テレビ入力とDVR機能を組み込み、「iTunes」のメンバー向けにテレビコンテンツを提供するだろうと予想しています。
さらに、Appleは今後1年以内に、月々30〜40ドルで、多くのネットワークやCATVが参加する番組プログラムに無制限にアクセス可能となる「iTunes TV Pass」サービスの提供を開始すると予想しています。
マンスター氏は、Appleは今後1〜2年以内に、iPod・iPhone・Macなどとワイヤレスで同期でき、さらに、ホーム・エンターテイメントをシンプルにできる新たなジャンルのテレビセットを投入するだろうと分析しており、低価格化が進むテレビ市場にあっても、Appleの質の高い製品開発とサービスにより、高い価格での販売が可能だとみています。
Appleのティム・クックCOOは先月、将来的な可能性に言及したうえで、今後も「Apple TV」への投資を継続すると述べており、ほかにも、Appleによるデジタルビデオ録画機能に関する特許取得や、5億ドルにおよぶLG電子との5年間のLCDパネル供給契約などが、Appleのテレビ市場進出の証拠して挙げられています。
6,500万以上のiTunesユーザと4,800万以上のiPhone/iPod touchユーザを抱えるとされるAppleが、過去3年間で最大7割も価格が下落したテレビ市場に参入しないという議論は、同様に低価格化が進む携帯電話市場へ参入しない議論と同じであり、Appleは、厳しいテレビ市場で競争して勝ち残って行くだけのノウハウを備えていると指摘されています。
「Apple TV」は、昨年の210万台に対し、今年はその約3倍にあたる660万台の出荷が予想されています。