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ジョブズ氏の盟友ビル・キャンベル氏がApple取締役辞任か

 

Googleエリック・シュミットCEOのApple取締役辞任の記憶がまだ新しいなか、米国証券取引委員会(SEC)にAppleが米国時間4日提出したForm 4via Fortune)によると、Apple取締役会の主要メンバーの一人であるIntuit社ビル・キャンベル会長が、8年間保有していたApple取締役ストックオプションを含む6万株ものApple株式(8月末時点でおよそ1,000万ドルの価値)の名義書換を申請したということです。

 

Appleのスティーブ・ジョブズCEOと親しく、良きアドバイザでもあるキャンベル氏が、どのような目的で誰に対して株式の名義変更を行ったかは不明ですが、有効期限が2011年から2018年までのものが含まれていました。

 

キャンベル氏は、Googleのエリック・シュミットCEOとも親しい仲であり、Googleの取締役ではありませんが、例外的にGoogle社の取締役会議には出席しているといいます。
同氏がどのくらいのApple株を保持していたのかは不明ですが、今回のタイミングとボリュームは注目に値します。シュミット氏は、取締役の兼任を理由に、今年8月3日に辞任を表明したばかりです。

 

Appleの取締役は、ジョブズCEOとキャンベル氏をはじめ、アル・ゴア元副大統領やAvon社アンドレア・ジュングCEO、元クライスラーCFOジェロム・ヨーク氏、ジェネンテック社アーサー・レヴィンソン会長、J.クルー社ミラード・ ドレクスラーCEOによって構成されていますが、実力者であるエリック・シュミット氏に続いて、ジョブズ氏の盟友であるキャンベル氏を失うことになれば、Appleとジョブズ氏にとってちょっとした痛手になりそうです。

 

ペプシコーラからAppleのCEOに(砂糖水を一生売り続けたいのか?それとも世界を変えるチャンスをつかみたいのか? “Do you want to spend the rest of your life selling sugared water, or do you want a chance to change the world?” と)ジョブズ氏に口説かれて引き抜かれたジョン・スカリー氏のもと、ビル・キャンベル氏は、1983年にマーケティング副社長としてAppleに加わりました。
同氏はClarisソフトウェア部門を受け持ったものの、スカリー氏が分社化を拒否したことで、キゃンベル氏を含む多くの管理者が辞職したという経緯があります。スカリー氏は、Appleからジョブズ氏さえも追放しました。
ちなみに、Clarisはその後、FileMakerの開発に注力すべく、会社名をFileMaker Inc. と変えて現在に至っています。ですから、現FileMaker Inc. は米Appleが100%出資する子会社であり、日本のファイルメーカー社は米FileMaker Inc. の子会社にあたります。
ジョブズ氏がAppleに復帰すると同時に、キャンベル氏はAppleの取締役として迎えられました。
キャンベル氏は低姿勢で知られ、ハイテク業界以外ではほとんど名が知られていない存在ですが、シリコンバレーでは陰の実力者として知られています。