多くの人びとが確実視していたこと -「Touchのカメラ」
日本時間10日午前2時から行われたAppleのメディアイベントで、新しい「 iPod touch 」がアナウンスされましたが、新型の「iPod touch」には、カメラは搭載されず、容量のアップとOpen GL ES 2.0サポートによるパフォーマンスの高速化、リモコンとマイク付きイヤフォンや「iPhone OS 3.1」サポート、および価格の引き下げが行われるに留まりました。
一番注目を集めていたカメラが搭載されなかったのはなぜか。ちなみに、「iPod touch」よりずっと小さなボディの「 iPod nano 」には、ビデオカメラ機能だけでなくマイクやFMチューナー、歩数計などまでもが実装されて、より多機能になりました。
NYT によると、Appleのスティーブ・ジョブズCEOはインタビューのなかで、フィリップ・シラー副社長が基調講演で述べた言葉繰り返して、「 iPod touch 」は、ゲーム機 としての機能・存在感を重視しており、そのためには(ゲーム市場で勝ち残っていくには)価格を引き下げる必要性があったと指摘したということです。
ジョブズ氏は、「 iPod touch 」について、当初は明確な市場戦略などが無く、電話機能を持たない「iPhone」なのか、それとも「ポケットに入るコンピュータ」なのか、その方向性はハッキリしていなかったと認めています。
しかしながら、ユーザから得た答えこそが「ゲーム」機能を重視するという戦略であり、今日そのようなマーケティングを押し進めることにつながったということです。
よって、新生「 iPod touch 」のもっとも大きなポイントは、付加的なカメラなどのような機能ではなく、ズバリ価格を引き下げる点にこそフォーカスしたと述べられています。
実際の価格は、従来機の8GBモデルが27,800円から19,800円へと30%近く値下げとなり、新たな機能を備えた32GBモデルは29,800円(旧モデルは47,800円)、新たにラインアップされた64GBモデルも39,800円と価格が非常に抑えられています。