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米AT&T、FCCの提言する「ネットの中立性」に危惧=ワイヤレス回線は困難

ネットの中立性問題でAT&Tがコメント

米連邦通信委員会(FCC)のジュリアス・ゲナコウスキー委員長がネットの中立性を提言するなか、iPhoneの米国における独占キャリアである同国第2位の通信会社AT&Tは、ブロードバンド回線の中立性はサポートするものの、ワイヤレス回線は帯域幅に限界があるため、完全な中立性を提供するのは困難であるという姿勢を示しました。

 

AT&TのJim Cicconi上級副社長は、FCCの求めるネットワークの中立性について、ワイヤレスサービスにまで拡張されて解釈されることを危惧しており、さらに米国1位の通信会社Verizon Wirelessも同様の考えのようです。

 

また、FCCは、iPhoneがAT&Tのみから排他的に販売されている現状についても関心を持っており、例えば、AT&Tの通信エリア外のユーザがiPhoneを他のキャリアで使用できないのは、消費者にとって不公平だとみているようです。
FCCは、企業間の競争を促し、消費者保護を徹底するため、新サービス開発やルール策定を主導する方針を示していますが、インターネット・プロバイダにとって回線をオープンにすることは、安定したトラフィック提供のためのコストや、競合する企業への対応なども絡んでくるため、非常に難しい問題だといえます。

 

FCCはさらに、AppleのApp Storeでの承認プロセスにも興味を持っており、Apple、Google、AT&Tの3社が絡んで大きな問題に発展している「Google Voice」に対しても関心を持ちそうだということです。

 

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