NVIDIAが先月末、「GPU Technology Conference」で発表した次世代アーキテクチャ「Fermi」(コードネーム) について、同社技術責任者Bill Dally氏は、「Fermi」(フェルミ) が特に、「Snow Leopard」と「Windows 7」でその威力を発揮するよう設計されていると指摘して、これら最新OSでは主要アプリケーションをより高速に動作させることが可能になると述べました。
「Fermi」は、40nmプロセス製造で30億個のトランジスタを持ち、512個のCUDAコアを特徴としており、1/10のコストと1/20の消費電力でスーパーコンピューティングなみの機能とパフォーマンスを実現するとされています。
Dally氏によると、次世代GPU「Fermi」は、「Snow Leopard」のコアテクノロジで高速化技術であるOpenCLや、「Windows 7」のDirectX 11をサポートしており、GPUをCPUと組み合わせて最適なプロセッサを使用する(Co-processing)ことで、主要アプリだけでなく幅広いサードパーティアプリをも高速化させることができるといいます。
また、ゲームやアニメーションなどでは、より正確な物理演算をレンダリングするため、チップセットを効率的に高度に利用できるうえ、通常のビデオチップセットでは性能をアップさせても利益を享受できないPhotoshopのようなデジタルメディア制作ツールでも、フィルタなどの作業が高速に行えるようになるといいます。
ほかにも、3D映像やストリーミング、ビデオフォーマット、Flashの再生などでパフォーマンスの向上が確認できるということです。
「Fermi」の正確なリリース時期は不明ですが、先ずはゲーミングマシンとワークステーション向けに年内に投入され、2010年にはモバイルやローエンド向けにも発売される見込みです。
C++ 用に設計された「Fermi」は、パラレル・コンピューティングを容易にし、512 CUDAコアのほか、NVIDIA Parallel DataCacheテクノロジ、GigaThreadエンジン、ECCのフルサポートなどが特徴として挙げられます。
リークされた情報によると、NVIDIAは年内にも「Fermi」アーキテクチャを採用した3モデルを投入するようです。
GTXのようなフラッグシップとなるハイエンドのシングルチップモデルのほかに、GeForce GTX 295のように、2つのやや性能の劣るチップセットをひとつのカードに搭載してオーバークロックさせたデュアルGPUモデル、そしてパフォーマンスと価格のバランスをとった8800GTのような製品が「Radeon 5850」対抗としてラインアップされるようです。
さらに、2010年Q1には、エントリーおよびメインストリーム向けの製品がリリースされ、Fermiプラットフォームベースのノートブックが登場するのは2010年後半になると予想されています。
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