Appleが現在のIntelからARMへとMacコンピュータのプロセッサをスイッチするかもしれないと、テックニュースメディアのSemiAccurateが報じた。移行時期は、64ビットをサポートするARMプロセッサコアが市場に出回る2013年半ば頃だと予想されており、ノートブックだけでなくデスクトップカテゴリにも採用される可能性が指摘されている。
ARMアーキテクチャは、iPhoneやiPadなどのスマートフォンやタブレット端末ですでに採用されおり、Appleのモバイルデバイスには欠かせない要素のひとつになっている。また、最近ではApple TVにも採用されるなど、その存在感は増すばかりだ。
ARMの低電力設計は、Qualcomm、Texas Instruments、Nvidia、Samsungなどでも採用されており、Apple製品だけでなく、Android搭載機などで搭載されるなど、この分野でのシェアは非常に高い、というか独占状態だ。消費電力が低いことは、バッテリ駆動時間が長いことにつながり、つまりはその点こそがモバイル機器、特にタブレットやスマートフォンの生命線だからだ。
なお、現在人気のiPad 2に搭載されているA5チップは、ARMベースでサムスン電子が生産を受け持っている。
AppleはIntelプラットフォームへの移行前は、2006年まで長きに渡ってPowerPCを採用してきた。
また、2008年には、低電力チップ設計会社P.A. Semiconductorを買収して、システムオンチップ(SoC)の設計にも積極的に携わってもいる。
プロセッサの移行が現実のものとなれば、Intelとの良好なパートナーシップが崩れることになるが、Macコンピュータの好調な売れ行きと、Intel採用後の順調なステップアップからみて、ARMへの移行はあり得ないただの憶測に過ぎないと思われるが。しかも、秘密主義で知られるAppleが、2年も先のことを決定事項として外部にリークされるようなことがあろうか?
たしかに、ARMアーキテクチャの存在感は増すばかりで、NVIDIAが年内に投入するモバイル端末向けTegra「KAL-EL」は、デスクトップ版Core 2 Duoの性能を超えるといわれる。また、Microsoftは次期Windowsで、ARMベースのSoCをサポートすることをすでに表明しており、さらに、ARM搭載サーバの実用化も噂されている。
Appleからみると、新しいノートブックの定義と位置づけた
Intelは、Sandy Bridge後継の22nmプロセッサ「Ivy Bridge」を立体構造化して、年内に世界で初めて量産すると発表したばかりだ。3Dトランジスタ採用により、サーバからノートブックやデスクトップはもちろん、Atom系のモバイルデバイスまで幅広くサポートすると公式に述べてもいる。
仮にノートブックだけをARMベースにするならば、Macコンピュータがノートとデスクトップとで2分されることになり、リスクがあまりに大き過ぎる。
ARMがいかに進化せよ、IntelのハイスペックCPUを超えるとはとても思えないし、Appleが速度やパフォーマンスを犠牲にしてまで、大胆なスイッチを行うとも想像しがたい。
なお、AppleもIntelもこの噂に関してコメントを出していない。