Appleは今週19日に米ニューヨーク市で教育にフォーカスを当てたプレスイベントを開催するが、iPad向け電子教科書に関する発表のほかにも、新たな電子書籍制作ツールのアナウンスが行われるのではないかと噂されている。
まず、The Wall Street Journalによると、AppleはiOS端末向け電子教科書について、McGraw-Hillなどの教育出版社と昨年6月より共同で準備しているという。この教育関連プロジェクトは数年前から計画されたものであり、故スティーブ・ジョブズ氏が発足当初から深く関わっていたとされる。
McGraw-Hillのほかにも大手出版社Cengage Learningなどが加わる可能性もあるようだが、Pearson、Houghton Mifflin Harcourtなどの大手が加わるかどうかは不明だという。
Appleはタブレット端末市場で優位な立場にあることから、もし大手出版社と提携できれば、教育分野でも存在感を増すことになりそうだ。
一方で、Appleは教科書向けに提供可能なコンテンツをほとんど持っておらず、出版業界の既得権益者からの反発もあって、iPadが教科書に取って代わるようなことにはならないだろうとする声もある。Appleは出版ビジネスに手を染めるのではなく、音楽や映画配信同様に、書籍の配信プラットフォーム構築を目指しているという指摘だ。
ArsTechnicaによると、“GarageBandで作曲する感覚”で簡単にインタラクティブな電子書籍が制作できる新たなツールが発表される可能性があるという。
また、iBooksが世界標準の電子書籍フォーマット「EPUB 3.0」をサポートする可能性もあるようだ。
1月19日のイベントはグッゲンハイム美術館にて行われ、インターネット・ソフトウェアおよびサービス担当エディー・キュー上級副社長が司会進行を務めるとみられる。