売上高・純利益ともに過去最高=時価総額、再び世界一に
Appleは1月24日(現地時間)、2012年度第1四半期(2011年10〜12月期)の決算を発表。売上高は前年同期比73%増の463億3,330万ドル(約3兆6,000億円)、純利益は約2.2倍の130億6,400万ドル(約1兆100億円)となり、いずれも四半期ベースで過去最高となった。
製品別の販売台数については、iPhoneが前年同期比128%増の3,704万台、iPadは111%増の1543万台、Macは26%増の520万台といずれも過去最高を記録。一方、携帯音楽プレーヤーiPodは同21%減の1,540万台となった。すべての主要製品の販売台数および売上高、利益ともに事前のアナリスト予測を上回る結果となった。
地域別売上高は北米が前年同期比92%増の177億1,400万ドル、日本は148%増の35億5,000万ドルなどで、米国市場外からの売上高が総売上高に占める割合は58%となった。地域別の成長率で日本が突出したのは、KDDIによるiPhone発売が大きく寄与したと思われる。
ティム・クックCEOは「素晴らしい業績とiPhone、iPad、Macの記録的な販売台数に興奮している」と述べ、「Appleの勢いは信じられないほど力強く、現在も驚くような新製品をいくつか開発中だ」と今後のさらなる飛躍を目指すとした。
業績発表後の電話会見のなかでクック氏は、当四半期だけで「Apple TV」が140万台(通年では280万台)売れたことや、「iBooks Author」のダウンロード数が60万回を超えたことなどを明らかにした。「Apple TV」については今後もコンテンツ追加のほか、多くの選択肢を探ると述べており、テレビ事業参入を匂わせている。
また、iCloudユーザ数が8,500万人を超えたことや、「iTunes U」のダウンロード数が300万回を超えたこと、150万台のiPadが教育現場で使用されていること、iOS向けアプリの数が55万以上に達してiPad向けアプリも17万超となったことなどが明らかとなった。
さらに、直営のApple Storeには12月期だけで1億1,000万人が訪れ、売上高も前年同期比59%増の61億1,600万ドルに達した。
Macコンピュータについては、 MacBook Pro、MacBook AirおよびiMacの売れ行きが好調である一方で、タイ大洪水の影響によるHDD値上がりの影響が第2四半期にも及ぶ見通しを示している。
また、デスクトップ(iMac+Mac mini+Mac Pro)の販売台数は前年同期比21%増の147万9,000台、ノートブック(MacBook+MacBook Air+MacBook Pro)の販売台数は28%増の371万9,000台だった。
ノートブック型Macの出荷台数はデスクトップ型の約2.5倍であり、その差は前年より広がりつつある。機種別データは明らかにされていないが、MacBook Airの売れ行きが好調のようだ。
Appleの売上全体のなかでMacが占める割合は14.24%と、iPhone(52.69%)には遠く及ばずiPad(19.75%)にも差を付けられた。
地域別では欧州市場の伸びが非常に高く、Macの出荷台数は148万2,000台で、前年同期比で19%増、前期比では26%増となった。今や北米地域に迫る勢いであり、日本の8倍以上の販売台数を誇っている。
Appleの好調な決算報告をうけ株価は時間外取引で一時11%余り上昇。時価総額でエクソンモービルを抜いて再び世界一となった。