iOSやAndroidに存在するとされるセキュリティ問題に対し、民主党のチャールズ・シューマー上院議員は米連邦取引委員会(FTC)に調査を依頼した。
この問題をめぐっては、iOS/Androidアプリで「現在地の取得」を許可することにより、端末内の写真ライブラリへのアクセス許可を、サードパーティ製アプリに与えてしまう“抜け道”がNYTimesにより報じられていた。
シューマー上院議員は、アプリ開発者が写真以外にもアドレス帳などの私的データ全体をサーバ経由で取得可能であると指摘し、ユーザの許可無く私的データが流出する恐れがあるとしている(Reuters)。
同議員はFTCへの書簡のなかで、「個人の端末で撮影された私的な写真は、あくまでも私的なものであるべき」と述べ、「端末メーカーは私的コンテンツを保護する義務がある」と主張している。
Appleは昨年5月、iOSにおいてユーザの位置情報追跡を修正するアップデートを公開したが、最近になって、写真以外にもアドレス帳などの私的データを無断収集するアプリが数多く存在することが明らかになっていた。
これとは別に、Googleは最近、モバイル版Safariに広告Cookieを保存させて、ユーザの行動情報を収集していたと報じられた。
ユーザの明確な許可無く、個人情報がリークする恐れが社会問題化するなか、AppleやGoogleなどは先月、モバイルアプリ配信の新たなプライバシーポリシー通知基準に合意し、デベロッパに対するガイドラインの厳格化やユーザの個人情報保護強化の方向性を打ち出していた。
App Storeからのダウンロード数が250億を超え、1日(つまり24時間)あたり85万台ものAndroid端末がアクティベートされるなど、スマートフォン市場を凌駕するAppleとGoogleだが、「アプリ」が信頼性を失ってしまっては、その勢いにブレーキがかかるかもしれない。