「ベンチマークを見せて欲しい」
Appleのフィリップ・シラー上級副社長は、3月7日の新型iPad発表イベントで、搭載プロセッサ「A5X」のグラフィックスパフォーマンスを説明する際、NVIDIA製モバイルチップ「Tegra 3」より4倍高速であるとするプレゼンを行った。
ZDNetによると、「A5X」どころか「A5」の半分の速度に過ぎないと名指しをされたNVIDIAのスポークスマンであるケン・ブラウン氏は、『ベンチマークによる実証が無く信ぴょう性に疑問符が付く』と述べたという。
「Tegra 2」後継のProject Kal-Elとして開発されてきたARM系クアッドコアSoC「Tegra 3」は、メインの4コアとは別に低クロックで動作する低消費電力時用のコア(コンパニオンコア)が用意されているのが特徴で、負荷状況に応じて自動で切り替える仕組み「vSMP」を採用している。
また、「Tegra 3」のGPUコアは演算ユニットが8個から12個に拡張されており、グラフィックスパフォーマンスは「Tegra 2」の3倍になるとされている。
一方のデュアルコア版「A5X」は、GPUコアがクアッドコアとなり、従来比で4倍のピクセル数を動かすためにグラフィックス処理速度を高めているとされる。
ブラウン氏は『(A5XとTegra 3の)性能比較テストにどのようなアプリケーションやドライバが使用されたのか、また、どのくらいの数のアプリが試されたのか確認したい』と語っており、新型iPadが発売されれば自らデバイスを入手して、パフォーマンステストを行う意向を示している。