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新しい4G版iPad、LTEチップセットはQualcomm製「MDM9600」

新型iPad、LTE互換は北米地域のみ

Qualcomm MDM9600

AnandTechのBrian Klug氏がiOSのリストアコード(ISPW)の記述を調べたところ、第3世代の新型iPadに搭載されているデータ通信用ベースバンドチップはQualcommの「MDM9600」(コードネーム:Maverick)であることが分かった。

 

一部ではQualcommの4G LTEワイヤレスモデム最新版「MDM9615」の採用も期待されていたが、同Gobiファミリー最新チップセットは先月発表されたばかりであり、時間的な制約が理由で搭載が見送られたようだ。なお、「MDM9615」は次期「iPhone 5」での採用が予想されている。

 

データ通信端末向けGobi対応チップセット「MDM9600」は、UE Category 3 LTE、CDMA2000 1x/EVDO Rev.A (and B)、GSM/EDGEおよびWCDMA/HSPA+からDC-HSPA+ 42 Mbpsまでをサポートしており、新しいiPadでLTEネットワークに対応するのは北米地域(米国とカナダ/米VerizonおよびAT&T、加Rogers、BellおとびTelus)のみとなる。日本ではUMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,900、2,100 MHz)、GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900 MHz)がサポートされており、LTEの下り最大73Mbpsには及ばないものの、ソフトバンクモバイルのHSPA+/DC-HSDPAを採用した「ULTRA SPEED」(下り最大42Mbps)を利用することになりそうだ(→Update: 利用するデータ通信サービスは同社の3Gネットワークであり、7月25日以降は900MHz帯でのプラチナバンド通信(下り最大21Mbps)が利用可能となる予定)。

 

4G LTEの周波数帯は国やキャリアによって異なるため、複数のベースバンドチップを組み込むか、世界の主要モバイルの多数の周波数帯サポートをワンチップに組み込むワイヤレスモデムを採用しない限り、国やキャリアごとにソフトウェアインターフェースやモジュール、パワーアンプの異なるモデルを用意する必要性に迫られる。