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新iPad “Retinaディスプレイ”、シャープ開発のスーパーHA技術を採用

超高解像度パネルが安定供給の足かせに?=バッテリ容量は70%アップ

第3世代iPadの最大の目玉となった解像度2,048×1,536(264ppi)を誇る“Retinaディスプレイ”について、市場調査会社NPD DisplaySearchのアナリストは、非常に高度な技術が使われており、市場の高い需要に応えられるか不透明だとする見解を示した。

 

新しいiPadのパネルサプライヤーとして名前が挙がっているのは、シャープ、サムスンおよびLG Displayの3社で、アモルファスシリコンTFT(a-Si TFT)の生産ラインでパネル製造が行われているとみられている。

 

シャープ開発の酸化物半導体「IGZO」を使用した新型液晶もサンプル出荷されていたが、品質や製造の歩留まり率がAppleにより認められたかどうかは不明であり、アモルファスシリコンTFTに切り替えた可能性が高いようだ。しかしながら、“a-Si TFT”で解像度264ppiを実現するのは非常に高度な技術を要するという。

 

また、輝度の低下を防ぐために、LEDバックライトにおけるLEDの数が第2前世代の36個から倍増となり、少なくとも72個のLEDが使用されているとみられている。

 

新しいiPadは高解像度ディスプレイのほかにも、4G LTE、クアッドコアグラフィックスプロセッサ“A5X”搭載を実現するため、前世代より大きなバッテリを搭載しており、新しいリチウムポリマーバッテリーは、iPad 2の6944mAh(25Wh)から11,666mAh(42.5Wh)に70%もアップしている(ZDNet)。

“Retinaディスプレイ”では、従来比で4倍ものピクセル数を搭載するために、シャープとJSRが開発したスーパーHA(SHA=Super High Aperture)と呼ばれる超高開口率化技術を採用しており、高開口率化を図り高透過率を実現したとみられている。

 

すでに初期出荷分がほぼ売り切れになっており、出荷予定が2〜3週間となっているなか、限界に近い高解像度ディスプレイを安定的に供給できるのかに注目が集まりそうだ。