Intel、最新の低消費電力プロセッサファミリー向け「Atom」ブランドを発表
Intelが、「Silverthorne」と「Diamondville」の開発コードネームで呼ばれてきた同社のモバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device=”MID”)向け45nmプロセスのプロセッサについて、正式ブランド名を「Atom」にすると発表しています。
この新たな超小型・低消費電力Intelチップブランド「Atom」は2008年半ばに出荷予定であり、新世代のインターネット端末や低価格PCへの採用が予定されています。駆動周波数は最大1.8GHz。
また、同時に「Menlow」という開発コードネームで呼ばれてきたMIDプラットフォーム向けのブランド名を「インテル Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」にすると発表しています。これは、「Atom」プロセッサに加え、グラフィックス機能内蔵の低消費電力コンパニオン・チップ、ワイヤレス機能が搭載されて、薄く軽いパッケージ製品として提供されます。
インテルのショーン・マローニ副社長は
これは世界最小のトランジスターで製造される、Intel最小のプロセッサです。新たなインターネット端末で素晴らしいインターネット体験を実現する、小型ながら十分なパワーを発揮するという、根本的に異なる設計思想に基づいています。このプロセッサによって、様々な業界に新たな技術革新が巻き起こると確信しています。
と述べています。
Appleが「Atom」チップを次世代「iPhone」や「Newton 2008(PDAプラットフォーム)」に採用?
「Atom」は、high-k金属ゲート技術で製造され、Penrynで使われている45nmプロセスを使用し、プロセッサの消費電力を0.6〜2.5ワット程度に抑えるために、2命令同時発行のインオーダー・パイプラインアーキテクチャを採用しているうえ、ダイ(半導体本体)のサイズは25平方ミリと非常に小さいのが特長で、ニーズに合わせて最大 1.8GHz まで動作速度を高めることができるということです。ハイパースレッドをサポートしているので、現在Macに使用されているCore 2 Duoと完全に互換性があります。
Appleは、このチップを次世代「iPhone」かPDAプラットフォームに採用すると噂されていますが、0.6〜2.5ワットでは、まだ「iPhone」への搭載は厳しいと思われます。携帯電話に組み込むには0.5ワットよりさらに消費電力を抑えることが求められます。しかしながら、モデムなどの消費電力の改良で搭載を可能にするのかもしれません。
昨年、Appleのスティーブ・ジョブズCEOは、消費電力に対する問題を取り上げて、3G版「iPhone」リリースのスケジュールが整っていないことを示唆していました。この「Atom」チップはもう少し大きめのデバイス、例えばPDA (Newton 2008) やウルトラモバイルデバイスなどへの搭載が適していると思います。
一部噂では、Appleは、ノートマシンほどの性能は無いが「iPhone」や「iPod touch」より性能が高い、主にワイヤレスに特長を持たせたウルトラポータブルデバイスを開発しているとされており、このチップはそのようなマシンにはピッタリのようです。