iPhone対応のAdobe Flash Player、Appleの承認待ち

iPhoneへのFlash搭載の可能性は？Appleは別のフレームワークを導入か？

「iPhone/iPod touch」がFlashテクノロジをサポートしていないことで、ネット上で配信されている多くのリッチな動画コンテンツを見れない制限を受けているなか、MacRumorsでは、Flash Magazineによると、Adobe Systemsのエンジニアリング・ディレクターであるPaul Betlem氏が、Adobeの「Flash on the Beach Conference」のタウンホールミーティングにおいて、iPhone版「Adobe Flash Player」がリリースできるかどうかはAppleの承認次第であり、もしApple側がGOサインを出すならばすぐにでも提供できる準備が整っていると述べたと伝えています。

Adobeは、6月にはテスト環境下のSDKエミュレーションで動作するFlashバージョンを既に開発済みで、今後「iPhone」デバイス向けに環境移管すると報じられていました。
Wall Street Journalでは、AppleとAdobeがFlash未対応を巡って、険悪な関係になっていると指摘するなど、これまで長年に渡り良好な関係を築いてきた両社にとり「iPhone」でのFlash対応は最大の懸案事項だといえるでしょう。
Betlem氏は、

我々の開発チームはiPhone向けのFlash開発に取り組んでいますが、これは閉ざされたプラットフォームです。
すべてはApple側の決断次第であって、言い換えれば、Apple側にすべて投げかけているところです。

と述べたそうです。
一方、Appleのスティーヴ・ジョブズCEOは以前から、「iPhone」でのバッテリ消費量を理由に、Flash搭載を拒否する構えを貫いています。

【Tsugawa.Tv’s Vision】
以前にも同様の発言を一部Adobeのエンジニアから聞いたことがあります。
Appleは閉ざされたプラットフォームを提供しているのではなく、Flashのモバイル環境への適応度が低いと見ているのだと思います。
このようなAdobeのアクションの一方で、Appleは、ブラウザにおいてプラグイン無しでインタラクティブな実行環境が可能な「SproutCore」というオープンソースのJavaScriptフレームワークの開発を押し進めています。FlashやMicrosoftのSilverlightの制約に縛られないAppleのオープンな環境模索がAdobeにはやっかいであり「閉鎖的」だと見えるのかもしれません。