Amazon.com – 噂通り9.7インチ大型ディスプレイとPDFリーダーを搭載した「Kindle DX」を発表
米インターネット小売大手Amazon.comは米国時間6日、ニューヨークで開催したプレス向けイベントにおいて、従来より大きいスクリーンを搭載したワイヤレス電子書籍リーダーKindleの最新版「Kindle DX」を発表しました。
発売時期は今夏、価格は489ドルで、Amazon.com(オンラインストア)で事前注文の受付を開始しています。
16階調コントラスト対応の最新E-Ink電子ペーパー技術を採用した9.7インチ大型スクリーン(1200 x 824ピクセル)を搭載する「Kindle DX」は、チャートやグラフ、写真などを多用する教科書や専門書籍に最適であり、さらに、スペースに余裕が生まれるため、新聞や雑誌などを表示する際に広告も無理無くレイアウト可能になります。
また、新たに加速度センサーが搭載されたことで、縦向きのポートレートと横向きのランドスケープモードを自動変換可能で、地図やグラフ、ウェブページなど、状況に応じて縦横表示が可能となります。
「Kindle DX」のオンボードメモリ容量は「Kindle 2」の2GBから倍増となる4GBへ増強され、保存可能な書籍は、初代「Kindle」の約200冊、「Kindle 2」の約1500冊から大幅に増えて、約3,500冊分となっています。
また、新たにPDFリーダーを搭載して、PDFをネイティブサポートしたことで、さまざまな書類を即座に表示することが可能となっています。
Sprintの3Gワイヤレスデータ通信に対応し、AmazonのWhispernet技術を使って、60秒以内に書籍をダウンロードできます。
バッテリ駆動時間は、1度の充電で普通の読書(ワイヤレス機能オフ時)なら最大2週間利用でき、ワイヤレス機能をオンにした状態でも最大4日使用可能です。充電に要する時間は約4時間、USB2.0対応。
「Kindle 2」同様に「text-to-speech」(テキスト読み上げ)機能が搭載されており、新聞、雑誌、ブログなどに対応します(男女や速度を選択可)。
現在利用可能な書籍は約27万5,000冊で、ベストセラー書籍や新刊を9.99ドルで購入できます。
「Kindle DX」のサイズは10.4 x 7.2 x 0.38インチ(約264 x 183 x 9.7mm)、重量は約536g。
なお、今年2月に発表された「Kindle 2」の価格は359ドルのまま据え置きとなっています。
また、日本での発売は予定されていません。
ニューヨーク・タイムズ紙、ボストン・グローブ紙、ワシントン・ポスト紙が、新聞の宅配に対していない地域に住んでいて、長期購読の申し込みをする読者に対し、「Kindle DX」を割り引いて提供することも併せて発表されました。
また、Amazonは、複数の教科書出版業者と契約を結んで、アリゾナ州立大、ケースウエスタンリザーブ大学、プリンストン大学、リード大学、ダーデン大学などが、今秋から新型「Kindle DX」を、教科書として試験的に使用することになっています。