国ごとのネットユーザ数に比例した新たな調査方法を採用=Mac OSは5%弱、Safariは4%のシェアに低下
Webトラフィック解析調査会社Net Applicationsは8月1日、世界中のオンラインユーザに占めるWebブラウザやOS、検索エンジンなどについて、2009年7月の最新市場シェアを発表しました。
なお、2009年8月1日付けで、これまでのように世界中のWebサイトからモニタリングされ抽出された「生」の数値を基準とした調査方法が見直されて、国レベルでWebトラフィックの対ユーザ数が重視され、その基準に比例した算出方法に改められています。なお、この調査では、1ヶ月当たり1億6,000万ユーザのWebトラフィックが解析されています。
同社によれば、例えば中国のようにインターネットユーザ数の多いエリアに比重を置くことで、今までよりも、より正確な世界規模の市場シェアが算出されるとことになるとしています。
しかし同時に、市場成長速度の不均衡も加味され、一部の極端な市場拡大エリアは、グローバルな市場シェア調査には影響を及ばさないよう考慮されるということです。
同社では、過去にさかのぼって、この新たな調査方法を適用しています。なお、国ごとのネットユーザ数は、C.I.A.のデータが利用されています。
今回の調査方法のアップデートにより、検索エンジン市場では、中国国内で圧倒的なシェアを誇るBaiduのシェアが、世界レベルで約9%にまで大きく上昇しています。
ちなみに中国国内における検索エンジンのシェアでは、Baiduは51%で、Googleの44%を大きくしのいでいます。同国内ではYahooは2%にも満たない状況。
この算出方法により、Googleのシェアはグローバルで減少しますが、中国語圏外の地域のシェアを反映するものではありません。
また、Macの米国での市場シェアは、他のエリアに比べると極めて高いため、世界レベルでの市場シェアでは、Mac OSとSafariのシェアは大きく減少することとなります。
ほかにも、Operaのシェアは、東欧とアジア地域でシェアが非常に高いため、世界レベルで大きく伸びています。
■ 2009年7月のWebブラウザ市場シェア
上記の新しい算出方法による2009年7月のWebブラウザの市場シェアは、Windows「Internet Explorer(IE)」が67.68%、Mozilla「Firefox」が22.47%、Apple「Safari」が4.07%、Goolge「Chrome」が2.59%、「Opera」が1.97%、「Netscape」が0.67%などとなっています(右図参照)。
また、昨年9月から今年7月までの主要ブラウザの市場シェア推移は下図の通りとなっています。
これまでの算出方法と比較して、「Opera」が約3倍増となる一方で、「Safari」は半分以下のシェアとなり、そのほか、「Chrome」は高め、「IE」はやや高め、「Netscape」はやや低めの数値になっています。
08-09 | 74.18% | 19.07% | 2.82% | 1.10% | 2.01% | 0.41% |
08-10 | 73.64% | 19.60% | 2.87% | 1.00% | 2.12% | 0.39% |
08-11 | 71.61% | 21.21% | 3.08% | 1.11% | 2.17% | 0.44% |
08-12 | 70.50% | 21.69% | 3.14% | 1.40% | 2.17% | 0.42% |
09-01 | 69.72% | 22.11% | 3.62% | 1.52% | 2.23% | 0.43% |
09-02 | 69.23% | 22.58% | 3.47% | 1.54% | 2.19% | 0.62% |
09-03 | 68.46% | 23.30% | 3.63% | 1.62% | 2.12% | 0.50% |
09-04 | 67.77% | 23.84% | 3.53% | 1.79% | 2.04% | 0.64% |
09-05 | 68.10% | 22.75% | 3.70% | 2.18% | 2.06% | 0.81% |
09-06 | 68.32% | 22.43% | 3.79% | 2.40% | 2.03% | 0.60% |
09-07 | 67.68% | 22.47% | 4.07% | 2.59% | 1.97% | 0.67% |
7月のWebブラウザ市場シェアをブラウザのバージョン別でみてみると、「Internet Explorer 6.0」がトップで27.21%、以下、2位「Internet Explorer 7.0」は23.09%、3位「Firefox 3.0」は16.21%、4位「Internet Explorer 8.0」は12.46%、5位「Firefox 3.5」は4.54%、6位「Chrome 2.0」は2.37%、7位「Safari 4.0」は2.22%、8位「Internet Explorer 8.0 互換モード」は2.12%、9位「Opera 9.x」は1.73%、10位「Firefox 2.0」は1.45%などとなっています。
■ 2009年7月のOS市場シェア
新しい算出方法による2009年7月のオペレーティング・システム(OS)の市場シェアは、首位「Windows」が93.04%、2位の「Mac」が4.86%、3位「Linux」が1.05%、4位「iPhone」が0.30%、5位「Java ME 」が0.29%、6位「Symbian」が0.14%、7位「iPod touch」が0.06%、8位「Windows Mobile」が0.05%などとなっています(右図参照)。
これまでの算出方法と比較して、「Windows」は平均5ポイント上昇し、逆に「Mac」は5ポイント程度下降しています。そのほかにも、「iPhone」や「iPod touch」のシェアも、新基準では、これまでよりもかなり低い数値となっています。
■ 2009年7月の検索エンジン市場シェア
新しい算出方法による2009年7月の検索エンジン市場シェアでは、「Google」が78.45%で首位、「Baidu」が8.87%で2位、「Yahoo」が7.16%で3位、Microsoftの新しい検索エンジン「Bing」が3.17%で4位、「AOL」が0.58%で5位、「Ask」が0.53%で6位などとなっています(右図参照)。
これまでの算出方法と比較して、「Baidu」が一気にシェアを伸ばすこととなり、他の検索エンジンは軒並みシェアが下落しています。
これ ( http://t.co/AlemY3qU ) は過去のニュースだけど、集計対象の重み付けが変わって結果が変動ってのは過去にもあったようなので、今回の IE も、「日経平均の対象銘柄が変わったから」的な変動じゃないかな?1月だし。 http://t.co/gbybOy4x