購入済書籍の削除で”返却”を申し出=30ドルの現金/商品券でも可
米Amazonは4日(米国時間)、今年7月に電子ブックリーダー「Kindle」で、ユーザに販売した書籍データを無断で遠隔削除していた問題で、該当する電子書籍の”返却”を申し出るとともに、書籍を希望しない顧客には現金30ドルまたは商品券を提供することを明らかにしました。
今年7月16日に削除されたのは、ジョージ・オーウェル(George Orwell )の「1984」と「Animal Farm(動物農場)」の2作品で、再版権を持たないMobileReferenceという出版社により販売されていたため、問題に気付いたAmazonが、顧客の了解を得ずして勝手に「Kindle」のライブラリから書籍データを遠隔で削除。その後、購入者には代金が返金されたものの、事前通知の無いあまりにも身勝手な行動に対し、ユーザの間では同社への不信感が高まっていました。
その後、7月末に同社CEOであるJeff Bezos氏がユーザに謝罪したことで一応の収拾はついていましたが、一部では注釈メモを一緒に削除されたことで損失を受けたとして訴訟に発展していました。
Amazonは4日、書籍を削除した顧客全員にメールを送信し、違法な出版物の取扱い方法において、同社は愚かな行為をとったというBezos CEOの謝罪文を再度掲載するとともに、ユーザのメモ書きを含む該当書籍を無料で「返却」すると申し出ました。
また、書籍を希望しない顧客に対しては、30ドル分のAmazonギフト券または現金を提供するとしています(該当するユーザの連絡先は kindle-response@amazon.com まで)。
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