各種スマートフォンに対応も「iPhone」は蚊帳の外
米Adobe Systemsは10月5日、PCだけでなく、スマートフォンやスマートブック、ネットブックなど、多様な形態のインターネットデバイスに対応するAdobe Flash Playerの最新版「Flash Player 10.1」を発表しました。
年内には「Flash 10.1」のデベロッパ向けパブリックベータ版が、 「Windows Mobile」と「Palm webOS」搭載スマートフォン、およびWindows、Mac、Linuxを搭載したデスクトップ用にリリースされ、2010年初めには「Google Android」と「Symbian OS」向けにもリリース予定となっています。
「Flash Player 10.1」は、端末メーカーやチップメーカーなど約50社が参加した、リッチインターネット体験を推進する「Open Screen Project」からリリースされる初の一貫したランタイム環境であり、プロジェクトに新たにGoogleが加わるとともに、Research In Motion(RIM)と共同で「Blackberry」向けに開発を進めることも併せて発表されました。
Adobeは昨年5月、TV、PC、携帯端末、セットトップボックスなど、様々なデジタル家電を対象に、閲覧する機器を問わず安全でリッチなWeb体験やビデオ体験をオンデマンドで提供することを目的として、「Open Screen Project」をローンチしました。
同プロジェクトは、「Flash Player」だけでなく、将来的には「Adobe AIR」を利用した、シームレスでオープンなランタイム環境を実現するという方向性が示されています。
「Flash Player 10.1」は、HD動画の再生をはじめ、マルチタッチやジェスチャコントロール、モバイル入力装置、加速度センサーなどのモバイル機能をサポートするほか、GPUの効率活用により、リソース利用を最小にして消費電力を抑えることが可能となります。
また、クロスプラットフォームによる生産的なウェブプログラミングモデルにより、デベロッパはコードの再利用が可能となり、すべてのプラットフォームにおいて容易にアップデートすることができるようになります。
Adobe Labsでは、「Palm Pre (webOS)」と「東芝 TG01 (Windows Mobile)」で動作する「Flash Player 10.1」のデモビデオが公開されています。
なお、Appleのライバルの名が次々とコールされるなか、「iPhone」への言及は一切ありませんでした。
AppleとAdobeは初代「iPhone」発売前後から、断続的に共同で同デバイス向けのプラグイン開発を進めて来たとされますが、バッテリ消費や動作の安定性の問題が解決しておらず、Appleスティーブ・ジョブズCEOの最終的な許可が出ていないとされています。
しかし、Adobeの開発者は、「iPhone」が非常に閉ざされた環境だと指摘しており、また、Appleは独自のコアWebテクノロジとして、インタラクティブ実行環境「SproutCore」やJavaScriptインタプリタ「SquirrelFish」の開発を推進したいという意向もあるようです。
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