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Apple、Dell、HPのノートブック所有者がNVIDIAを提訴=GPUの不具合をめぐり

NVIDIA製グラフィックプロセッサの不具合、集団訴訟も視野に告訴

 

AppleInsiderでは、裁判書類によると、Apple、DellおよびHPのノートブック所有者5名が、グラフィックチップメーカーNVIDIAを相手に、同社GPUの不具合に対する対応が消費者保護法に違反するとして、集団訴訟を視野にサンフランシスコ連邦裁判所で訴訟を起こしたと伝えています。
原告によれば、これが集団訴訟に発展すれば、数百万人ものノートブック所有者を巻き込むことになるだろうとのこと。

 

昨年4月に「MacBook Pro」を購入したという米ルイジアナ在住のトッド・ファインスティン氏によると、マシンがあまりにも熱い温度で動作し、コンピュータ画面の歪みが確認され、画面表示が時としてグレーや黒色になり、さらに定期的にいきなり停止するという症状が見られるとしています。

 

NVIDIAは2008年7月に、一部のノートPCに搭載されたGPUやMCPで、不良なダイおよびパッケージング材料に起因した問題が生じることを米国証券取引委員会(SEC)へ報告し、このシステムの修理、返品、交換費用として、1億5000万ドル~2億ドルのコストが掛かると発表していました。
かなりの台数におよぶノートブック製品に、標準値を上回る不具合が発生するグラフィックプロセッサが搭載されたとNVIDIAは認めており、同社により今年明らかにされた報告によれば、2009会計年度に4,360万ドルを支出したとされています。

 

DellおよびHPはそれぞれ、NVIDIA搭載のノートブックで不具合が生じる可能性があるとユーザに通知し、Appleも、NVIDIA GeForce 8600M GT グラフィックプロセッサを搭載した「MacBook Pro」で問題が発生する可能性があると案内しました。
Appleは、欠陥のある「MacBook Pro」について、保証期間に関わらず、購入後2年以内であれば修理に応じるとしていましたが、DellとHPは先に、不具合に対する予防策として、冷却ファンの動作パターンを変えて、GPU温度を抑えられるというNVIDIAが用意したBIOSアップデートを公開しました。

 

DellまたはHP製ノートPCを使用しているある原告によれば、NVIDIAの対応ははなはだしく不十分で、さらに問題を悪化させるのは目に見えていて、バッテリ寿命やシステムパフォーマンスの低下、ノイズの発生などを制限無く引き起こすことになると指摘し、真の問題が可決されない以上、保証期間切れとなった後に問題が起きる可能性が高いとしています。

 

昨年12月、英国の技術系タブロイドInquirerは、現行の「MacBook Pro」に搭載されているNVIDIA 9600M GTグラフィックプロセッサにも、初期のGeForce 8400M/8600Mファミリで見つかった粗悪なバンプが使われている可能性を報じました。
NVIDIAはこの報道に対して、「MacBook Pro」に搭載されているGeForce 9600 GPUのバンプは粗悪ではなく、アンダーフィルとバンプの素材セットは、Intelが製造した数億個のチップセットに使用されているものとほぼ同じであると反論しました。

 

昨年9月、ニューヨークの法律事務所は、NVIDIAがグラフィックスチップの重大な欠陥の存在を知りながら、数ヶ月間もの間隠していたとして、米国証券取引法に違反するとし同社を提訴しましたが、現在のところ控訴審で判決待ちの状態になっています。
今回の原告は、集団訴訟を視野に、NVIDIAに対して、不良チップの交換と損害賠償を求めるとしています。