Apple、「Mac OS X Snow Leopard」を9月に発売＝価格は29ドルから、PowerPCには非対応

Intel Macのみに対応、アプリの64bit対応＋64bitプロセッサをサポート

（サンフランシスコ発）Appleは米国時間2009年6月8日、開発者向けカンファレンスWWDC 09において、将来のMacイノベーションの土台と位置づけられたMac OS X の最新版「Mac OS X Snow Leopard」を発表しました。
発売時期は2009年9月で、通常価格は129ドルですが、Mac OS X Leopardのアップグレード版として29ドルで販売されます（国内向けの価格は未定）。また、ファミリーパックが49ドルで提供されるほか、Tigerユーザ向けにＭac OS X Snow Leopard、iLife ’09、iWork ’09が含まれた「Mac Box Set」が169ドル（同ファミリーパックは229ドル）で販売されます。

Snow Leopardは、何百もの改良と新しいコアテクノロジーや面倒な設定なしにすぐに使えるMicrosoft Exchange、新しいアクセシビリティー機能を追加しており、Mac OS Xの1,000以上のプロジェクトの90%に改良が加えられています。

Finder、Mail、iCal、iChat、Safariなどのシステムアプリケーションが初めて64ビットにネイティブ対応したほか、Snow Leopardが64ビットのプロセッサをサポートすることによって、より大量の内部メモリ（RAM）の使用が可能になり、32ビットアプリとの互換性を保ちつつも、パフォーマンスとセキュリティが大幅に向上しています。

また、高速化されたFinder動作、85%高速になったMailのロード、最大90%アップした検索速度、最大50%速くなったTime Machineの最初のバックアップ、DockとExposéの統合、最大50%アップした64ビット版Safari 4のNitro JavaScriptエンジンパフォーマンスなどが実装され、さらにプラグインを原因とするクラッシュへの抵抗力が向上しています。

Snow Leopardには、刷新された「QuickTime X」が含まれており、ビデオの閲覧のほか、録画や切り取り、YouTube／MobileMe／iTunesへの投稿に対応しています。
また、Snow Leopardは従来版に比べ半分のサイズとなり、インストール後、ハードディスクドライブの空き容量が最大6GB増えます。
ほかにも、マルチコアプロセッサをシステム全体で有効に利用可能にするGrand Central Dispatch (GCD) や、C言語ベースのOpenCLにより、GPUの強力なパワーを利用したタスクの実行が可能になります。

Snow Leopardは、Mail、Address Book、iCalに対して、Microsoft Exchange Server 2007のサポートが組み込まれており、これらのアプリを使った電子メールの送受信や、グローバルアドレスリストを使ったコンタクトの検索・管理も行えます。
さらにExchangeは、Snow Leopardでシームレスに使うことができ、Spotlight検索やQuick LookプレビューなどMac OS Xの機能を利用することができます。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上席副社長であるバートランド・サーレイ氏は、

Leopardの成功を基礎として、インストールからシャットダウンまで、さらに快適なユーザエクスペリエンスを実現しました。
Appleのエンジニアたちが何百もの改良を加えた結果、Snow Leopardを搭載したシステムはこれまで以上に速く、反応が良く、安定性が高まったように感じます

と述べています。

Appleは同日、サーバ向けOSの次期メジャーアップデート版「Mac OS X Server Snow Leopard」のDeveloper Previewを発表しました。
Snow Leopard Serverは、オープンスタンダードをベースにした完全64ビットのUNIXサーバオペレーティングシステムで、従来版に比べ最大2倍高速化されています。

さらに、ポッドキャストの作成と配信を自動化できるPodcast Producer 2や、iPhoneやMacからファイヤーウォール保護されたネットワークサービスに安全にアクセスできるMobile Access Serverなどの新機能が含まれています。
Snow Leopard Serverは無制限クライアントライセンスが付いて499ドルで、2009年9月に出荷開始されます。