ネットの中立性(Net Neutrality)とオープン性向上のためのルール作りを提言
米連邦通信委員会(FCC=Federal Communications Commission)の議長を務めるジュリアス・ ゲナコスキー(Julius Genachowski)氏は2009年9月21日(米国時間)、ウェブコンテンツやアプリケーションに制限をかけずに、すべてのウェブトラフィックを平等に取り扱うようインターネット・プロバイダに求める方針を正式に明らかにしました。
ゲナコスキー氏は、2009年3月23日にバラク・オバマ米大統領によりFCCメンバーに任命され、ネットワークのオープン化に取り組むことは以前から想定されていました。
FCC議長は声明のなかで、「ネットの中立性(Net Neutrality)」と自由(オープン性)を高めるためのルール作りを提言し、2005年以来政府機関によって推薦されている既存の4つの業界ガイドラインに2つの指針を追加して、10月に開催するFCC委員会で正式なルールにするかどうかの投票を行う予定だということです。
Genachowski議長は、インターネットに制限を掛けようとするのではなく、ネットへのアクセスを平等にするためのルール作りだと述べたうえで、違法性の無いコンテンツへのアクセスの自由化やユーザによるアプリケーション選択の自由を保証する規則を設立する必要があると指摘しました。
また、ワイヤレステクノロジの革新と、BlackberryやiPhoneなどのような革命的なデバイスによって、ポケットのなかにインターネットを持ち運ぶことが可能となったと言及し、ISPは、特定のデバイスやコンテンツ、アプリケーションを差別すること無く扱うべきだとしています。
この日のFCCの姿勢は、AppleとGoogleの間で論争化しつつある「Google Voice」問題にも大きく影響を及ぼすと思われます。